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2019/01/04

【日本取引所グループ(東京証券取引所)】麻生財務大臣を来賓に招き、新春恒例の2019年大発会を開催!亥年の株式取引がスタート!

| by:ウェブ管理者


 2019年1月4日(金)、東京証券取引所は新春恒例の大発会を東証アローズ オープンプラットフォームで開催した。

 今年のセレモニーでは昨年同様に副総理兼財務・金融担当大臣 麻生 太郎氏が来賓として招かれて挨拶を行ったほか、日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 清田 瞭氏が年頭挨拶で新年の抱負を語った。また、来賓や艶やかな晴れ着姿の女性による打鐘の後、市場関係者、一般参列者全員による手締めが行われ、「亥年」の株式市場の活況を祈願した。




 2019年の大発会も快晴。午前7時30分から、地下1階の会見室で報道陣向け説明会&撮影場所抽選会が行われ、その後セレモニーが行われる東証アローズ オープンプラットフォームへ移動して報道の準備が進められる。開始時間が迫ると、一般来場者、証券市場関係者、晴れ着の女性の順に会場に入場し、厳かな雰囲気の中、大発会の開始を待つ。




【セレモニー開始前】日本取引所グループの紹介映像に加え、大阪取引所の大発会・大株締めの様子もライブ映像で中継

 セレモニー開始前に会場後方の大型液晶モニターに、日本取引所グループの紹介映像が映し出され、その後、東京証券取引所に先駆けて行われた大阪取引所の大発会の様子がライブ映像で紹介された。「打~ちまひょ」の掛け声で始まる大株締め(だいかぶじめ)による手締めは東京と違って拍子木を使い、独特の節回しで行われる。




 【挨拶】清田 瞭氏(日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO)「波乱の幕開けもガバナンスの改善、稼ぐ力の向上を踏まえれば見通しは決して悪くはなく、さらに来年には、東京オリンピック・パラリンピックも」

 清田氏は挨拶冒頭で昨年の株式市場を振り返った後、国内全体のIPOが98社と好調で、東証と大証が統合して以来最も多い数となった一方で、統合から5年が経過する中、市場構造や関連する上場制度を巡り、改善すべき点が見受けられるようになってきたとして、昨年に外部有識者による懇談会を設置し、市場構造を巡る諸問題や今後の在り方等を検討することとしたと報告。また、昨年は、改革をより実質的なものへと深化させていくため、コーポレートガバナンス・コードの改訂を実施したとして、今年も企業による取り組みが「形式」から「実質」へと深化していくよう引き続き注力したいと語った。

 さらに日本取引所グループとしての取り組みとして、上場デリバティブの清算システムリプレース、売買審査業務へのAI導入、国債の決済期間短縮、ETF市場の強化、株式の売買単位統一などを挙げ、今後は新しい経営課題として掲げた「ESG・SDGs」関連の施策にも積極的に取り組むとともに、積年の課題であった総合取引所についても、その実現に向けて東京商品取引所と協議を続けていると語った。

 清田氏は最後に今年のマーケットについて、「今年は消費税の引上げが予定されており、過去の経験から景気の冷え込みを心配する声もあるが、政府から大胆な景気刺激策や減税が打ち出されていることから、極端な落ち込みは避けられるのではないか。株式市場は波乱の幕開けとなっているが、日本企業が取り組んできたガバナンスの改善、稼ぐ力の向上を踏まえれば、今年のマーケットの見通しは決して悪くはなく、さらに来年には、東京オリンピック・パラリンピックも控えており、日本全体が新しい気持ちで益々盛り上がっていくのではないか。今年は亥年で、相場の格言では「亥固まる」と言い、株価は、下値を探る場面もあるかもしれないが、それを底値に踏み固めて大きな飛躍へと繋がっていく1年になることを期待したい。」と述べて挨拶を締め括った。




【挨拶】副総理兼財務・金融担当大臣 麻生 太郎氏「官民協力して積立NISAの普及に取り組むほか、総合取引所の実現は国際競争力強化と投資家の利便性向上に寄与する」

 麻生氏は挨拶の冒頭で、名目GDP、企業収益、失業率など、安倍内閣の政策による経済効果を具体的な数字を述べながら紹介し、経済の好循環は着実に続いているとした上で、株価については年末の急落は海外の動向にやや過剰反応したきらいもあり、景気は引き続き好調だとの認識を示した。

 また、「金融庁として国民の安定的な資産形成のために昨年7月からの導入した積立NISAは、20代から40代を中心に100万口座に達する勢いで、新たな投資者層の拡がりに貢献している。家計金融資産1859兆円の内、約半分の968兆円が現預金となっている現状を変えていく必要があるので、官民協力して積立NISAの普及に取り組むことが重要だ。」と述べた後、「金融機関については顧客本位の業務運営の確立・定着に引き続き取り組む必要があり、こうした取り組みを通じて国民の安定的な資産形成の流れが拡がることを期待している。そのためには企業の持続的成長を促すことが極めて重要で、コーポレートガバナンスの改革によって中長期的な企業価値の向上を図っていくため、取締役会の機能発揮等の取り組みをさらに前に進めたい。」と語った。

 最後に、「総合取引所の実現に向けた議論が進んでいるが、幅広い上場商品をワンストップで取引できる総合取引が実現することにより、我が国市場の国際競争力が強化され、投資家の利便性が大きく向上することが期待される。金融庁としても総合取引所実現に向けた取り組みを積極的にサポートしていく他、高齢化、デジタル化など世界各国が抱える金融分野の国際的な課題解決の議論を我が国が主導していきたい。」と
意気込みを語って挨拶を終えた。



 挨拶の後、麻生氏と晴れ着の女性により、取引の活況と市場繁栄、景気回復への願いを込めて打鐘が行われた。




 最後は東京証券取引所 取締役常務執行役員 岩永 守幸氏の発声による手締で無事大発会セレモニーは終了。



 終了直後に寄りついた大発会の日経平均株価は急落し、始値は大納会の終値と比べ359.64円安の19,655.13円となり、下げ幅は一時700円を超えるなど大幅安となった。リスク回避の動きが強まる中、安値を出し尽くした後の相場の回復力が2020年のオリンピックイヤーに夢と堅調相場を引き継いでいけるよう、一日も早く相場が好転の兆しを見せることを期待したい。

(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ





15:18 | 取材:投資家向け

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