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2020/04/02

【全国銀行協会】会長就任挨拶

| by:ウェブ管理者
三菱UFJ銀行の三毛です。このたびの理事会において、髙島前会長からバトンを受け、全国銀行協会の会長を務めることとなった。これから一年間、大変な年になると思うが、皆さま方のご支援を賜りながら、この大役に取り組んで参りたいと考えているので、どうぞよろしくお願いする。
まず、今般の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになった方々に謹んで哀悼の意を表するとともに、感染された方々やそのご家族、不安のなかにおられる方々に対して、心からお見舞いを申しあげたいと思う。
就任に当たっての抱負を申しあげる前に、この場をお借りして、髙島前会長に一言、お礼を申しあげたい。
振り返ると、昨年度は、世界経済の先行き不透明感が拭えない状況が続くなか、年明けからは、新型コロナウイルス感染症の拡大という難局に直面し、非常に難しいかじ取りを迫られた一年だった。
このような局面において、髙島前会長は、この感染症への対応はもちろんのこと、銀行界の多岐にわたる課題への対応へ、見事にリーダーシップを発揮された。そのご尽力に対して、心から敬意と感謝の気持ちを表したいと思う。


現在、わが国を含む世界は、新型コロナウイルス感染症の拡大という難局に直面しており、銀行界としても、まずは、この対応が喫緊の課題と認識している。
感染拡大の影響が広く実体経済へと波及するなかで、銀行界は、金融サービスを通じて、取引先や社会をしっかりと支え続けていくことが責務であり、社会的使命と考えている。
先月、全銀協として申し合わせを実施したが、まず、新型コロナウイルスの感染防止・拡大抑制のためにも、お客さま・従業員やその家族の健康・安全の確保を図り、業務継続体制を構築・維持する。そして、影響を受けたお客さまが、資金繰りなどに重大な支障が生じないよう、丁寧、親身に経営相談に乗り、政策金融機関などとも連携を強化しつつ、必要な資金の申込みはもとより、金融面のサポート要請に、迅速、適切、柔軟に対応して参りたい。

さて、改めて、わが国の銀行界を取り巻く環境を、内外の経済、政治、金融システムの視点から見てみると、今年の世界景気は、製造業の調整一巡と米中通商摩擦の一旦の後退によって、緩やかながら上向きに転じるとみられていたところに、新型コロナウイルス感染症の拡大という、昨年までは誰も予想していなかった事態によって、足元で著しく縮小しており、非常に厳しい状況にある。
国内についても、手厚い政策対応によって消費増税の影響は薄れていくと見込まれていたところに、新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済活動が大きく制限され、私たちが経験したことのない影響が随所にみられている。
日本の銀行界は、全体として健全性を維持してきていると言えるが、経済面では新型コロナウイルス感染症拡大により、今年度は厳しい先行きを覚悟しなければならない。また、中長期的にみても、金融機関の収益性は国内預貸業務を中心に依然として低下が続いている。低金利環境の長期化に加え、人口減少や期待成長率の低下に伴う、借入需要の趨勢的な減少も背景にある。
したがって、まずは、この新型コロナウイルスの難局を乗り切ることが最優先であるが、このような状況にあるからこそ、将来の日本経済の姿を見据えた種まきも、同時に重要と捉えている。
銀行界としては、デジタル化や環境への意識の高まりなど、社会の変化にしっかりと対応しつつ、国の成長戦略への貢献を通じて経済を支えるとともに、社会課題を解決する役割を一層発揮していかなければならないと考えている。


原文はこちら
https://www.zenginkyo.or.jp/news/2020/n040101/

15:03 | 金融:銀行
 

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